認知療法はあがり症を3段階に分けて克服
1.あがった時の状況を記録
あがり症を認知療法で克服していく場合、どのような順序で進めていけば良いのだろうか。認知療法を行う場合、3つの段階に分けてあがり症を克服していく。
第一段階では、あがってしまうという状況において感じたことをメモすることである。あがり症の人の思考は大きくわけて3つの傾向にあるといわれている。
まず、自分自身に対する思い込みである。これは発汗や赤面、手の震えなどの身体反応や、気の利いたことが言えないとか教養が無いなどの欠点を他人に気づかれてしまうという思い込みである。
次に、他人の評価に対する思い込みである。自分の欠点や身体反応が気づかれた結果、他人は自分のことを低く評価してしまうだろうという思い込みである。
最後は他人の反応に対する思い込みである。他人が自分のことを低く評価したことにより、自分にとって不都合な行動をとるのではないか、という思い込みである。例えば、自分が上手に答えられない質問を、あえてしてくるだろうというように考えてしまうことである。
2.思い込みを検証
第二段階では、これらの思い込みについて、ひとつひとつ検証していく作業に入る。あがり症の人は、客観的な事実と自分の思い込みを取り違えてしまうことが多いようである。自分が不安に感じているのだから、相手も「私が不安に感じている」ことを気づいているはずだ、などと勝手に思い込んでしまうのである。それは客観的な事実ではないが、あがり症の人は、その状況になると勝手に思い込む傾向にあるようである。
3.スキーマを修正
認知療法であがり症を克服する場合の第三段階は、スキーマを明らかにして、それを修正することになる。ここで言う「スキーマ」とは、その人の持つ絶対的な信念みたいなもので「〜でなければならない」などの考え方を指す。つまり、自らの行動に完璧さを求めたり、自らを厳しく律したりする考えかたのことである。
あがり症の人は、ある状況に置かれると心の中に潜んでいたスキーマが急激に活動を始める。そして、緊張してしまうような強い不安を感じてしまうのである。あがり症の本人はスキーマの存在に気づいていないことが多いようであるが、あがり症の人には確かにスキーマが存在するようである。
例えば「自分自身のことは完璧にコントロールすべきで、人前で弱みを見せてはいけない」というスキーマを持っているとする。この考え方を修正して、あがり症を克服していくのである。では、どのように修正していけば良いのだろうか。
例えば「どんな状況でも、常に完璧に自分自身をコントロールすることは不可能である」と考え方し修正してみてはどうだろうか。また、「多くの人は、他人の少々の欠点や弱点には寛容でいてくれるはずだ」と考えてみても良いだろう。「人前で自分の殻に閉じこもるより、失敗しても自分のことをオープンにするほうがよっぽど良い」と考えられるようになれば、あがり症か克服されたのも同じである。
絶対的信念であるスキーマを修正していくには時間がかかると思われる。しかし、あがり症を克服するためには長い時間がかかるものであるので、気長に取り組もう。